人工授精(AIH)って実際どうなの?私が体験した流れと注意点
前回の記事で、不妊治療の種類についてまとめましたが、今回はその中でも「人工授精(AIH)」について、より具体的に書いてみたいと思います。
実際に人工授精を経験した身として、これから挑戦しようとしている方や、検討中の方の参考になればと思って、私の体験と調べたことをまとめます。
人工授精って何をするの?
まず「人工授精」といっても、試験管ベビーのようなイメージを持たれる方がいるかもしれませんが、そこまで高度な医療行為ではありません。
排卵のタイミングに合わせて、元気な精子を膣内に直接注入する方法です。
大事なのは、「排卵が近い日」を事前にしっかり把握すること。そのために、前の周期から排卵誘発剤を飲んだり、卵胞の成長をエコーで何度かチェックしてもらったりします。
予約は直前!スケジュール調整が大変
排卵のタイミングが見えてくると、医師から「○日ごろ人工授精にしましょう」と提案があります。
ただ、実際の予約が決まるのは直前。卵胞の成長具合を見ながら「じゃあ、明日来てください」とか「明日の午前中に精子を持ってきてください」と言われるので、仕事の調整が本当に大変でした。
私は何度も職場に「急遽お休みをいただけますか…」と頭を下げた記憶があります。夫のスケジュールも合わせないといけないし、想像以上に段取りが難しい治療だと実感しました。
精子の採取と持参の注意点
そして次に待っているのが、精子の採取と持参というステップです。
病院によっては院内で採取する場合もありますが、私たちは自宅で採取して持参するスタイルでした。
ここで気をつけなければいけないのが時間と温度管理。
- 採取から1〜2時間以内には病院に届けないといけない(精子の寿命があるため)
- 冷やすのは絶対NG。人肌で温めながら持っていく。
- 「じゃあカイロで!」と思ったら、温めすぎると逆に精子が死滅するとのこと。
なので、実際は肌に近いポケットに入れて持参しました。これ、地味だけどかなり緊張する作業です。片手に大事な命の素を持って電車に乗る…あの日のことは忘れられません。
精子の選別:円心分離で“良い精子”を
病院に到着したあとは、提出した精液を「遠心分離」という処理にかけます。
これによって、真っ直ぐ元気に泳ぐ精子だけを下に沈めて、上澄みの不要物を取り除くんだそうです。まるで理科の実験のようですが、これによってより良い精子だけが選別されるんですね。
そして処理が終わると、いよいよ人工授精の実施です。
実際の人工授精:痛みは?時間は?
処置自体は、細いカテーテルで処理済みの精子を膣内に注入するだけなので、痛みはほとんどありませんでした。多少の違和感はありましたが、数分で終わるのであっという間。
ただ、「これで妊娠するかも…!」という期待と緊張で、終わったあともずっとドキドキしていました。
ちなみに、人工授精は排卵が正常に起きていることが前提の治療法なので、排卵に問題がある場合は効果が期待しづらいとも言われています。
成功率と回数、補助について
人工授精の妊娠率はおおよそ5〜10%前後。年齢や体調にもよりますが、何度かチャレンジして妊娠する人が多い印象です。
また、自治体によっては人工授精も助成金の対象になっていることがあり、たとえば「○回まで1万円支給」などの補助制度が設けられていることもあります。
私の住んでいる地域では年に2回まで助成があり、金銭的にもすごく助かりました。事前に自治体のホームページなどで確認しておくのがおすすめです。
人工授精は“中間地点”のような存在
私自身、人工授精を経験して思ったのは、「不妊治療の中間地点」のような位置づけだということ。
自然妊娠が難しいわけじゃないけど、何かがうまくいっていない…というときに、少しだけ医療の力を借りて、チャンスを広げてくれる方法。
でも、タイミングの調整、夫婦の協力、精神的なプレッシャー…見た目以上にハードな一面もたくさんあります。
最後に:焦らず、でも諦めず
人工授精は魔法のような治療ではありません。妊娠できる確率を上げるサポートのひとつに過ぎないけれど、それでも「何かできることがある」というのは、希望になります。
夫婦で協力しながら、無理のないペースで、できることを少しずつ。人工授精は選択肢のひとつであって、正解でも失敗でもない。自分たちのペースで、未来に向かって歩んでいけたら、それでいいんだと思っています。
