妊娠初期の希望と不安
妊娠が分かったとき、未来への希望が膨らむ一方で、「うまく育ってくれているかな」「ちゃんと心拍が確認できるだろうか」と、不安も大きくなるのが正直なところです。
特に妊娠初期の段階では、さまざまなリスクが存在します。その中のひとつがけいりゅう流産(稽留流産)です。今回は、私自身の経験や調べたことをもとに、「けいりゅう流産」について知っておいてほしいことを、丁寧に綴っていきたいと思います。
けいりゅう流産とは?
「けいりゅう流産」とは、胎児がすでに子宮内で亡くなってしまっているにもかかわらず、出血や腹痛などの自覚症状がない状態の流産のことです。
妊婦健診でエコーを受けた際に、
- 前回見えた心拍が確認できなくなっていた
- 成長が止まっていて、大きくなっていなかった
- そもそも心拍が確認できなかった
などの状況で判明します。
エコー画像で赤ちゃんの姿が見えるのに、心臓が動いていないと告げられる瞬間――これは本当に衝撃的で、現実を受け入れるのがとてもつらいものです。
流産のリスクは12週頃までに集中している
妊娠初期の12週までは、胎児の染色体異常や受精卵の発育の問題など、自然淘汰的な理由での流産リスクが高い時期です。統計的にも、妊娠全体の10~15%ほどが流産に至るとされており、その多くがこの時期に起こります。
「心拍が確認できたから安心」と思いたいところですが、それでも心拍がその後止まってしまうケースもあります。
けいりゅう流産後の処置について
けいりゅう流産が判明すると、子宮の中に胎盤や胎児の組織が残ったままの状態になります。そのため、自然排出を待つか、医師の判断で手術によって掻き出す必要が出てきます。
この処置は子宮内容除去術と呼ばれ、通常は1泊2日程度の入院で行われます。手術そのものは短時間で済むものですが、身体的にも精神的にも負担の大きい出来事です。
自分を責めないで――そのほとんどは胎児側の問題
けいりゅう流産を経験すると、心がぽっかりと穴が開いたような気持ちになります。
「何か悪いことをしたんじゃないか」「もっと休んでいれば違ったのではないか」と、自分を責めてしまう方がとても多いです。
でも、医師も必ず伝えてくれるのは、
「ほとんどの場合、胎児側の染色体異常など、親の努力では防げない原因です」
という事実です。あなただけのせいではありません。そして、決して誰のせいでもありません。
パートナーのサポートも大切に
そして、もうひとつ大切なのが、パートナーの関わり方です。
夫(旦那さん)は、自分なりにショックを受けつつも、どう声をかけていいのか迷ってしまうこともあると思います。そんなときこそ、旦那さんは妻を責めず、寄り添ってあげてください。
無理に励ます必要はありません。「そばにいるよ」「一緒に乗り越えよう」という気持ちが、何より支えになります。
体の回復と再妊娠への準備
けいりゅう流産の後は、子宮が通常の周期に戻るまで時間がかかることがあります。
感染症のリスクもあるため、しばらくの間(1~2ヶ月程度)は仲良し(性行為)を控えるよう医師から指導されることもあります。また、再妊娠に向けては、2~6ヶ月程度の子宮の休養期間を設けるのが一般的です。
この期間中は、体を大事にしながら、自分の心も少しずつ整えていく時間として過ごしてほしいと思います。
「子どもは忘れ物を取りに帰っただけ」
けいりゅう流産を経験した人の間では、よくこんな言葉が語られます。
「子どもは忘れ物を取りに帰っただけ」
たった一度きりではなく、また戻ってきてくれる。そんな温かいメッセージに、私は何度も救われました。
実際に、経産婦(すでに出産経験のある人)の約1〜2割が流産を経験しているともいわれています。それだけ多くの女性が、同じような思いをしながら前に進んでいるのです。
あまり責めないで、落ち込みすぎないで
「もっと早く気づいていれば」「仕事をしていたからかも」そんなふうに自分を責めてしまう気持ち、痛いほどわかります。
でも、繰り返します。ほとんどの場合、誰のせいでもありません。
泣いてもいいし、何もできない日があってもいい。だけど、いつかふと、「また頑張ってみようかな」と思える日がきっと来ます。
最後に
この記事を読んでくださっているあなたが、今つらい気持ちの中にいるのなら、どうか少しでも心が軽くなってくれることを願っています。
そして、パートナーの方にも伝えたい。
「何もしてあげられない」と思うかもしれませんが、そばにいるだけで、あなたは十分支えになっています。
赤ちゃんの命が短かったとしても、その存在に意味がなかったわけではありません。その子は、あなたたちに何かを残してくれたはずです。
ゆっくりで大丈夫です。あなたの心と体に、穏やかな時間が戻ってきますように。
