はじめに:流産という現実と向き合う
経験しないで済むに越したことはありませんが、意外と多くの方が経験していると言われる「流産」。その響きだけでも恐怖や悲しみを感じる方も多いでしょう。
妊娠したら出産までスムーズにいくものと思っていた私も、実は2回(不確かなものを含めると3回)の流産を経験しました。当時は「あのときのあれが悪かったんじゃないか」と自分を責め、なかなか立ち直れませんでした。
同じような経験をした方や、今まさに不安を抱えている方が、少しでも前向きになれるように、私の経験をお伝えします。
約2割は流産するという事実
待ち望んだ赤ちゃんを妊娠しても、元気に生まれてくるまでは安心できないものです。五体満足かな?逆子じゃないかな?ちゃんと育っているかな?不安は尽きません。
その不安のひとつが「流産」です。授かった赤ちゃんを失うのは本当に辛く、自分を責めてしまいがちです。
実際、妊娠初期の流産は決して珍しいものではなく、全体の約2割にものぼると言われています。私も、20代・持病なし・婦人科系の不調なしという状態にもかかわらず、2度の流産を経験しました。それだけ、誰にでも起こりうることだと今は思います。
1度目:化学流産
最初の流産は「化学流産」でした。妊娠検査薬でうっすら陽性反応が出て淡い期待をしていましたが、翌日・翌々日と線の濃さは変わらず、陰性なのか陽性なのかモヤモヤする日が続きました。
その時は生理周期が1週間近く遅れていて「これは妊娠かも?」と期待していた矢先に、それまでの人生で一番重い生理がきました。病院で診てもらったわけではありませんが、検査薬でうっすら陽性だったことを踏まえると、化学流産だったのだと思います。
不確かな1回も同じように生理の遅れと重い出血があり、妊活前だったため確認はしませんでしたが、同じようなことだったのではないかと思っています。
2度目:稽留流産
2度目の流産は「稽留流産」でした。心拍が確認され、母子手帳まで受け取っていたのに、妊娠中に不正出血があり、病院で診てもらうと心拍が止まっていました。
「食べたものが悪かったのかな?仕事で無理したから?」と、自分を責めました。ちょうど夫が出張で不在の時期で、説明を一人で聞かなければならず、頭が真っ白になったことを今でも覚えています。
医師からは「妊娠を維持できなくなり、身体が異物と認識して体外に排出する」「完全に排出されなければ掻き出す手術が必要」という淡々とした説明がありました。その時は冷たい説明に腹立たしささえ感じましたが、稽留流産は珍しいことではなく、母親の行動が原因ではないという現実を後から知りました。
稽留流産は、受精卵の段階で遺伝子的に不具合があり、細胞分裂が止まってしまうもの。どんなに注意していても避けられないものなのです。あの時の私にも、同じ経験をしているあなたにも、まず「あなたのせいではないですよ」と伝えたいです。
押し寄せる現実と痛み
心拍停止が確認されてから2〜3日後、流産の現実を受け止めざるを得ない時間がやってきました。妊娠を維持できなくなったことで生理と同じ現象が起き、化学流産の時よりもさらに重い痛みが襲いました。
「内容物をなるべく回収してください」と言われ、痛みに耐えながら赤ちゃんが出ていくという事実に耐え、無心で回収しました。診察のない土日にかけて出てきたので、チャック付きの袋に入れて冷蔵保管し、月曜日に病院へ持参しました。その結果、手術は必要ないとのことでした。
掻き出す手術は子宮に負担がかかり、しばらく妊活できなくなるそうです。自然排出であれば全て排出されていればすぐ妊活可能との説明でしたが、実際には気持ちが整うまで時間がかかりました。次の生理でもしばらく黒い血の塊のようなものが出て、身体的にも精神的にも完全に元に戻るには時間が必要でした。
立ち直るまでに私がしたこと
流産からの立ち直りに特効薬はありません。私の場合は、気持ちの整理のために水子供養に行きました。近くのお寺の水子地蔵さまにお線香を手向け、手を合わせただけですが、「一度は私たちの元に来てくれた命」と感謝の気持ちを伝えることで少し心が軽くなりました。
「流産は赤ちゃんが忘れ物をして取りに帰っているんだそうです」と笑い話にしたり、「また来てくれるように」と夫婦で話し合いました。妊娠中に控えていたナマ物を食べに行ったり、旅行やお酒を楽しんだり、2か月ほど妊活をお休みして心身をリセットしました。夫や家族の支えもあり、比較的早く気持ちを切り替えられたのだと思います。
自分も相手も責めないこと
流産の多くは、受精卵が細胞分裂する過程で不具合が起こり、受精の時点で決まっていたものです。母親がどんなに注意していても避けられないものなので、誰のせいでもありません。
それなのに自分を責めたり、夫や家族が責めてしまったりすると、心も関係も壊れてしまいます。赤ちゃんができたら嬉しいけど、できなかったらお寿司が食べられる…そんな風に少し楽観的な方がプレッシャーが減り、気持ちが楽になるかもしれません。
まとめ:同じ経験をしたあなたへ
流産を経験している人は意外と多くいます。そして、決してあなたのせいではありません。
悲しみや喪失感から立ち直るには時間がかかりますが、自分を責めず、パートナーや家族と支え合いながら、あなたのペースで進んでいってください。少しでもこの経験談が参考になれば幸いです。
